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熊本県信用保証協会

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経営計画:年度経営計画

当協会では、経営の透明性に向けた取り組みとして、経営計画を公表しております。このたび、「平成28年度経営計画」を策定しましたのでお知らせします。

平成28年度経営計画

1. 業務環境

(1)熊本県の景気動向

わが国経済は、円安や原油安の影響もあり、平成27年4-6月における企業収益は過去最高益を更新し、雇用情勢も改善するなど緩やかな回復基調にありました。しかしながら、夏場以降、中国を始めとするアジア新興国や資源国等の景気が減速したことに伴い輸出が減少するとともに、個人消費も伸び悩み、直近10-12月期の実質国内総生産(GDP)では、2四半期ぶりに前期比マイナスに転じるなど景気回復のペースは鈍化しつつあります。

県内においては、主力の電気機械の生産活動にやや低下傾向が見られるものの、はん用機械が依然として高操業のほか、二輪車関連が持ち直し、四輪車関連も底堅さを維持しています。個人消費については、業態、店舗毎にバラツキ感はあるものの、インバウンド需要による下支え効果もあり、底堅く推移しています。雇用環境は、平成27年12月の有効求人倍率が1.15倍で、平成26年8月から17ヵ月連続の1倍台と堅調に推移するなど、県内経済は総じて緩やかな回復を続けています。

(2)中小企業を取り巻く環境

平成27年の熊本県の企業倒産は件数71件、負債総額99億3,300万円で、件数・負債総額ともに7年ぶりに増加したものの、金融機関が返済条件の緩和に応じるなど資金繰り支援の下支えにより、件数は平成に入り2番目、負債総額も3番目に少なく低水準で推移しています。倒産企業の特徴を見ると従業員10人未満の零細企業、資本金1,000万円未満の過小資本および業歴30年以上の老舗企業の割合が高く、倒産企業の約3割は、返済条件の緩和を受けているが経営改善が進まず倒産するケースとなっています。このことは、当協会の平成28年2月末における代位弁済企業228件についても、同様の傾向が見られます。

中小企業・小規模事業者(以下「中小企業者」という。)を取り巻く環境は、企業間の競争激化に加え、人手不足からくる人件費増加、人口減少等による販売不振および経営者の高齢化に伴う後継者・事業承継等の課題が重なり、依然として厳しい状況にあります。

2. 業務運営方針

政府は、平成27年6月に「日本再興戦略」を改定し、地方創生と産業の生産性を向上させることを両輪に「ローカルアベノミクス」を推し進め、地域経済を活性化することを打ち出しました。

当協会では、平成27年度からスタートした中期事業計画において「つながる」をキーワードとして掲げ、創業から成長期、安定期、衰退期までの中小企業者のあらゆるライフステージにおいて経営課題の解決に向け、金融機関や商工団体、業界団体、各種専門家等(以下、「関係団体等」という。)と連携して積極的な金融支援・経営支援を行うことを目標としています。

これらのことを踏まえ、中期事業計画の2年目となる平成28年度においても、金融機関や関係団体等と連携し経営支援サービスの充実を図るとともに、円滑な資金供給に取り組んでいきます。さらに、政府が進める地方創生に貢献するため、創業支援の拡充および6次産業化等の新たな分野となる農業ビジネスに係る保証の取り組みにもチャレンジしていく方針です。 また、信用保証協会の業務の公共性を十分に認識し、顧客からの信頼を確立するためガバナンス体制の維持・強化に引き続き取り組んでいきます。

経済産業省では、平成27年12月に中小企業政策審議会基本問題小委員会金融ワーキンググループにおいて、持続可能な信用補完制度の確立に向けた中間的な整理が公表され、責任共有制度の見直しや信用保証協会の業務の在り方等について検討がなされています。さらに、先の日本銀行によるマイナス金利の導入と相俟って、今後、中小企業金融や保証付融資がどのような影響を受けるか注視していく必要があります。

しかしながら、いかに金融環境が変化しようとも「信用保証に加え、経営支援による地域経済および中小企業の活性化にある」という当協会の使命のもと、これからも地域における金融支援・経営支援の拠点となれるよう取り組んでいく所存です。

【保証部門】

(1)顧客のライフステージに応じた円滑な資金供給

1.金融機関および関係機関等と連携した「育てる保証」を推進します。

2.小規模事業者向け保証制度を創設します。

(2)経営支援へ「つながる」取組みの強化

1.金融機関との役割分担によるフォローアップを強化します。

2.事業性評価に向けた職員の資質向上を図ります。

(3)持続的発展に向けた創業支援

1.地方公共団体、金融機関、関係団体等と連携した創業支援を実施します。

2.創業保証ユーザー会を通じた創業後の支援強化を行います。

(4)地方創生の貢献に向けた新分野保証への取組み

1.農業ビジネスに係る保証への取組みを行います。

2.NPO法人に対する保証の推進を行います。

【期中管理部門】

(1)経営改善に向けた取組みの強化現状認識

1.初期延滞先に対するアプローチを強化します。

2.返済緩和先に対する債務正常化に向けた取組みを強化します。

3.抜本的再生に向けた取組みを強化します。

(2)経営支援サービスの充実

ライフステージに応じた多様なニーズに対応する専門家派遣を実施します。

【回収部門】

(1)担保処分および経営支援による回収の最大化

1.「任意処分」・「競売」担保の早期解決および回収方針の見直しを行います。

2.代位弁済企業に対する支援を実施します。

(2)求償権管理の効率化

1.早期解決が見込まれる求償権に対する積極的な解決策の提案を行います。

2.管理事務停止および求償権整理を促進します。

【その他間接部門】

(1)ガバナンス体制の維持、強化

熊本県信用保証協会マネジメントシステム(KMS)の確実な運用を行います。

(2)「つながる」ことができる人材育成の強化

1.コミュニケーション能力向上のための研修を実施します。

2.専門的知識習得へ向けた内外研修を検討し、実施します。

(3)「つながる」機会の拡大と効果的な広報の実施

1.広報活動体制の再構築を図ります。

2.SNSや地元大学での出張講義等、新たな手段を活用した広報を実施します。

(4)業務効率化による経営の合理化と組織の活性化

1.統計資料作成システムを開発します。

2.職員からの提案による業務効率化を実施します。

(5)職員のコンプライアンス意識の向上

1.コンプライアンス・プログラムを実施します。

2.コンプライアンスに関する知識の習得を行います。

3.個人情報保護態勢を推進します。

保証承諾等の見通し

平成28年度の保証承諾等の主要業績数値(見通し)は、以下のとおりです。

項目 金額 前年度計画比
保証承諾 1,030億円 103.0%
保証債務残高 2,324億円 96.8%
代位弁済 36億円 109.1%
回収 12億円 96.3%